rplsTOOLで日付を設定するときの注意点【訂正】

rplsTOOL(*)というツールを使うと、BDAVオーサリングツールで出力したプレイリストファイル(.rpls)を編集することができます。

しかし、TMPGEnc MPEG Editor3など一部のソフトで生成した.rplsファイルに、このツールで日付情報を設定したものを書き込んでBDAVディスクを作成すると、再生時にちょっとした問題が起こります。

例えば、PlayStation3(PS3)で再生すると、rplsTOOLで設定した日時の9時間後の日時が表示されます。一方、筆者が試した限りではパナソニックやシャープのレコーダーではrplsTOOLで設定したとおりの日時が表示されます。

これは、TMPGEnc MPEG Editor3など一部のソフトがタイムゾーン(グリニッジ標準時との時差)情報を正しく設定していないことによります。つまり、PS3では.rplsファイルのタイムゾーン情報を規格どおり処理するため、.rplsファイルに記述されている日時をグリニッジ標準時として認識し、PS3本体に設定されているタイムゾーン情報(日本であればGMT+9)にもとづいて、9時間のオフセットを加えた時刻を表示する一方、パナソニックやシャープのレコーダーではタイムゾーン情報を無視してそのまま表示しているわけです。

この問題を回避するためには、rplsTOOLで処理した後の.rplsファイルの先頭から49バイト目を、バイナリファイルエディタ等を用いて「00h」から「12h」(10進数では18)に書き換えます。これにより、このプレイリストのタイムゾーンがGMT+9であると認識され、どのプレーヤー・レコーダーでも同じ日時が表示されるようになります。

余談ですが、「.rpls」という拡張子は「Real Play LiSt」の略なんですね。また、規格上は「.vpls」(Virtual Play LiSt)というファイルもあるそうです。私は見たことないですが。

(*) ysk.orz.hm/BD/rplsTOOL , ysk.orz.hm/ISDB/rplsTOOL など

参考文献:

情報処理装置および情報処理方法、プログラム、データ構造、並びに、プログラム格納媒体 – 特開2008-252741 j-tokkyo
http://www.j-tokkyo.com/2008/H04N/JP2008-252741.shtml
http://www.j-tokkyo.com/2008pdf/A_2008-252741.pdf

記録媒体 – 特開2009-135944(P2009-135944A) j-tokkyo
http://www.j-tokkyo.com/2009/H04N/JP2009-135944.shtml
http://www.j-tokkyo.com/2009pdf/A_2009-135944.pdf

【訂正】 初出(http://weblog1.cocolog-nifty.com/weblog/2010/05/rplstool-c6f9.html)時、rplsTOOLの処理に問題があるような記述になっておりましたが、rplsTOOLは.rplsファイルにもともと書き込まれているタイムゾーン情報をそのまま維持します。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。